電子車検証の読み取りを見積書と記録簿に使う|受付で1回読んで、書き写しをなくす流れ

電子車検証は、受付で1回読み取って整備ソフトの車両台帳に入れておけば、見積書や記録簿を作るたびに車検証を見て書き写す手間を減らせます。読み取りに使うのは国の「車検証閲覧アプリ」です。読んだ内容を業務ソフトへ渡す道は、取込みファイル、API連携、券面の二次元コードの3つがあります。この記事では、「車検証 読み取り アプリ」を仕事で使いたい整備工場のフロントと事務担当の方に向けて、3つの道の違いと受付での流れを、国土交通省の電子車検証特設サイトと法令で確かめながら説明します。

車検証の読み取りアプリを業務で使う前に知っておくこと

電子車検証の券面に印刷されているのは、登録番号や使用者の氏名などの基礎的な情報です。所有者の氏名や有効期間の満了する日はICタグの中にあります。紙の車検証のころのように、預かった車検証を見ながら打ち込むやり方では、台帳の欄が埋まりません。

ICタグを読むのが、国土交通省の車検証閲覧アプリです。パソコン版はWindows 11にICカードリーダをつないで使い、スマートフォン版はNFC対応の機種で動きます。iPadはNFCを載せていないため対象外です。アプリを使えるのは「車検証原本を所持する者又は提示を受けられる者」とされており、お客様から車検証を預かる工場はこれにあたります。

車検証の読み取りアプリでできること

車検証の読み取りアプリとして業務で使うのは、国土交通省が提供する車検証閲覧アプリです。2023年1月に利用が始まり、券面のセキュリティコードを入力してICタグを読み取ると、券面に載っていない所有者や有効期間の満了日を含む車検証情報を画面で確かめられます。インターネットにつながったオンラインモードでは、車検証情報が載ったPDFと、JSON・XML・CSV形式の「車検証情報取込みファイル」を出力できます。国土交通省は取込みファイルの用途を、OSS申請や各社システムでの利活用としています。一度に読み取れる枚数はスマートフォンとタブレットが1枚、パソコン版が100枚までです。台数の多い工場は、受付のパソコンにICカードリーダを置く形が向いています。

車検証閲覧アプリから整備ソフトへ渡す3つの方法:取込みファイル・API連携・二次元コード

読み取った内容を整備ソフトに入れる方法は、整備ソフト側が何に対応しているかで決まります。手入力を含めて並べると次のとおりです。

方法受付での操作国の仕組み
取込みファイル閲覧アプリでファイルを出力し、整備ソフトで選んで取り込むJSON・XML・CSV形式。オンラインモードでだけ出力できる
API連携閲覧アプリを連携モードで読み取り、整備ソフト側から車両の情報を取得する車検証閲覧API。登録車は2024年4月、検査対象軽自動車は2025年4月から
二次元コード券面の二次元コードをスキャナーで読む券面に印刷されたコードを使う。ICタグは読まない
手入力閲覧アプリの画面を見て打ち込む特別な仕組みは要らない。書き写しの間違いが残る

車検証閲覧APIは、車検証を扱う事業者がインターネット経由で車検証情報を取得するための国の仕組みです。利用には国土交通省への申請と承認が要ります。API連携に対応した整備ソフトを買って使う場合は、承認を受けたソフトの提供元が工場をAPIユーザとして登録し、固有のアクセスIDとアクセスキーを発行します。工場はそれを閲覧アプリに設定して使います。連携モードで読み取ると、画面には電子車検証管理番号(登録車は12桁、軽自動車は13桁の数字)が表示され、車検証情報そのものは整備ソフトの側で受け取ります。国土交通省の資料では、電子車検証の本体が手元にあり、読み取った車両の情報だけを取得できるとされています。取得できる内容は、閲覧アプリの取込みファイルと同じくすべての車検証情報です。

整備ソフトを選ぶ段階なら、どの方法に対応しているかを先に聞いてください。見分け方は整備システム比較.comの電子車検証・OSSに対応した整備システムの見分け方に確認点をまとめています。

取込みファイルとAPI連携の違い

取込みファイルとAPI連携は、どちらも車検証閲覧アプリで読み取った車検証情報を業務ソフトへ渡す方法で、受付での手数が違います。取込みファイルは、閲覧アプリでJSON・XML・CSVのいずれかの形式のファイルを出力し、整備ソフトでそのファイルを選んで取り込みます。API連携は、国土交通省の車検証閲覧APIを通して整備ソフトが車両の情報を取得する方式で、登録車は2024年4月、検査対象軽自動車は2025年4月に提供が始まりました。国土交通省の承認を受けた整備ソフトの提供元からアクセスIDとアクセスキーの発行を受け、閲覧アプリに設定して使います。ファイルを保存して選ぶ操作が毎回あるかどうかが、1日に何台も受け付ける工場では差になります。

見積書と記録簿に書く車両の情報と、書き写しが起きる場面

整備工場が1台の入庫で作る書類には、同じ車の情報が何度も出てきます。法令で決まっているものを挙げます。

  • 見積書:自動車特定整備事業者は、点検や整備の依頼者に、必要となる整備の内容と必要性を説明し、料金の概算見積りを記載した書面を交付するか、電磁的記録で提供します(道路運送車両法施行規則第62条の2の2第1項第2号)
  • 点検整備記録簿:点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日に加えて、自動車登録番号(または車両番号、車台番号)、点検時の総走行距離、実施した者の氏名または名称と住所を記載します(道路運送車両法第49条、自動車点検基準第4条)
  • 特定整備記録簿:自動車登録番号など、特定整備の概要、完了した年月日、依頼者の氏名または名称と住所を記載し、写しを使用者に交付します(道路運送車両法第91条)

登録番号、車台番号、使用者の氏名と住所は、どの書類にも関わります。書類ごとに車検証を見て書き写すと、1台につき同じ文字を何度も打つことになり、桁の多い車台番号ほど間違いが入りやすくなります。受付で読み取った内容を車両台帳に1回入れ、あとの書類は台帳の車を選んで作る。これが書き写しをなくす考え方です。記録簿の書き方そのものは、指定整備記録簿の記載例と書き方を見てください。

車両台帳に入れた項目が見積書や記録簿のどの欄に載るかは、整備ソフトと帳票の種類によって違います。導入前のデモでは、自社で使っている帳票を実際に出してもらい、手で直す欄が残るかどうかを確かめてください。

受付で1回読んで車両台帳に入れる流れ

受付から書類作成までを、読み取りを軸に並べると次の順になります。

  1. 車検証を預かる:電子車検証の本体を受け取る。コピーからは閲覧アプリで読み取れません
  2. 閲覧アプリで読む:券面のセキュリティコード(4桁の数字)を入力し、ICタグを読み取る
  3. 整備ソフトに取り込む:取込みファイルかAPI連携で、車両台帳に登録する
  4. お客様の話を聞く:走行距離、気になる症状、希望する作業を入力する
  5. 見積書を出す:台帳の車を選んで概算見積りを作り、整備の内容と必要性を説明する
  6. 記録簿を作る:点検と整備の結果を記載する
  7. 車検証を返す:預かった本体をお客様に返す

読み取りを後回しにすると、車検証を返したあとで欄が埋まらないことに気づきます。受付の最初に読むと決めておくのが確実です。記録事項の窓口配布の終了時期と、満了日を台帳で持つ運用は電子車検証と整備工場の実務で確かめられます。車検入庫の受付から引き渡しまでの全体は、車検入庫とは:受付から引き渡しまでの流れと必要書類で説明しています。

受付で1回読む運用の決めごと

電子車検証を受付で1回読む運用は、読む人、読む場所、読むタイミングの3つを決めると定着します。読むタイミングは車検証を預かった直後にします。車検証閲覧アプリは電子車検証の本体が無いと読み取れず、返却したあとでは取り込めません。読む場所は、ICカードリーダをつないだ受付のパソコンか、NFC対応のスマートフォンを置いた場所に固定します。取込みファイルの出力もAPI連携もオンラインモードでの読み取りが前提なので、受付の場所でインターネットにつながることを確かめておきます。国土交通省は、コピー機の自動原稿送り(フィーダー)に通すとICタグが折れ曲がって壊れる可能性があると案内しています。控えを取る場合も原稿台に置いてください。

整備システム・整備ソフト DREAM POWER の電子車検証連携

日本カーネットの整備システム・整備ソフト DREAM POWER は、取込みファイルとAPI連携の両方に対応しています。取込みファイルは2023年1月17日のVol612から使え、車検証閲覧アプリのパソコン版で出力したJSONファイルを「外部取込」で読み込みます。

2024年4月のVol624からはAPI連携が加わりました。車検証閲覧アプリでICタグを読み取り、整備システム・整備ソフト DREAM POWER の車両登録画面で電子車検証管理番号を入れて「取得」を押すと、車検証の内容が入ります。ファイルをダウンロードして選ぶ操作は要りません。

  • 軽自動車もAPI連携で取得できます
  • スマートフォン版の閲覧アプリ(NFC対応機種)でも連携できます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER の画面に出るQRコードをスマートフォンで読み、連携モードで閲覧アプリを起動します
  • 取得は、閲覧アプリで読み取ってから1日以内に行います
  • 2026年9月7日に国の側の仕組みが切り替わったため、VOL651以降への更新と初期設定のやり直しが要ります
  • 連携が止まっている間は、二次元コードの読み取りか手入力で登録します。二次元コードをスキャナーで読む方法は有料オプションです

初期設定から取得までの画面つきの手順は、電子車検証の解説サイトにある電子車検証を整備システムに取り込む方法に載せています。

読み取りの端末と整備ソフトの台数の考え方

受付で1回読む運用は、読み取る端末と整備ソフトの画面が受付にそろっていて成り立ちます。整備ソフトが事務所の奥に1台だけだと、フロントは車検証を預かったまま順番を待つことになります。待っている間に手書きのメモが増え、あとで打ち直す。書き写しが戻ってくる形です。

整備システム・整備ソフト DREAM POWER のサブスクは、1台目が月額6,600円(税込)、2台目が2,200円(税込)、3台目以降が1台につき1,100円(税込)です。別途初期費用がかかります。受付、事務、工場の3台で使う場合の月額は、6,600円+2,200円+1,100円で9,900円(税込)になります。台数を増やしたときの費用と使い方は整備ソフトを一人一台で使うに、料金表はトップページの料金欄にあります。

向かない場合も書いておきます。入庫が1日に1〜2台で、受付と事務を同じ人が同じパソコンで行う工場なら、台数を増やす効果は小さくなります。まず1台で読み取りの流れを作り、順番待ちが出てから増やす進め方で足ります。

電子車検証の読み取りで止まりやすい点

場面起きること備え
閲覧アプリのメンテナンス中オンラインモードが使えず、ファイル出力やAPI連携ができないメンテナンスの日時は国土交通省の特設サイトのお知らせで分かる。当日は手入力に切り替える手順を決めておく
オフラインモードで読んだ取込みファイルや車検証記録事項PDFを保存できない受付の端末はオンラインモードで使う
iPadで読もうとしたNFCを載せていないため動作対象外NFC対応のスマートフォンか、ICカードリーダをつないだパソコンを使う
閲覧アプリの強制アップデート古いバージョンが使えなくなる特設サイトのお知らせを見て、営業時間の前に更新する

読み取った内容は、車検の満了日が入った車両台帳になります。満了日から案内の対象を抜き出す使い方は車検管理システムでできることで説明しています。

よくある質問

車検証の読み取りアプリは、整備工場の業務で使ってよいものですか?
使えます。国土交通省の車検証閲覧アプリは、利用できる人を「車検証原本を所持する者又は提示を受けられる者」としています。事業者向けには、取込みファイルの出力と車検証閲覧APIが用意されています。
スマートフォンの読み取りだけで受付を回せますか?
回せますが、スマートフォンとタブレットは一度に1枚ずつの読み取りです。パソコン版は100枚まで読み取れるので、台数の多い日はICカードリーダをつないだパソコンのほうが手早く進みます。
自動車整備システムを選ぶとき、電子車検証の読み取りでは何を比べればよいですか?
取込みファイルとAPI連携のどちらに対応しているか、軽自動車も取得できるか、スマートフォンで読んだ車検証を取り込めるかの3点です。整備ソフトのおすすめを調べるときも、この3点を各社に同じ聞き方で確かめると比べやすくなります。
整備システムをリースなしで入れて、受付にも1台置けますか?
整備システム・整備ソフト DREAM POWER のサブスクは、リース契約を組まずに月単位または年単位の支払いで使えます。2台目は月額2,200円(税込)、3台目以降は1台につき1,100円(税込)で、別途初期費用がかかります。
読み取った車検証の情報は、車販の仕事にも使えますか?
整備システム・整備ソフト DREAM POWER は整備システム、車両販売システム、申請書類作成システムの3本立てで、車販部署と整備部署で情報を共有できます。車販ソフトとして使う範囲は、資料請求やデモで確かめてください。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月11日時点で公表資料を確認したものです。料金・機能は日本カーネットの資料請求・デモ申込で最新の内容をご確認ください。

整備ソフトを、人数分。サブスクで。

整備システム・整備ソフト DREAM POWER をサブスクでご利用いただけます。1台目は月額6,600円(税込)、2台目は2,200円(税込)、3台目以降は1台1,100円(税込)。リース契約を組まずに始められます。いまの台数と使い方をお聞きして、月々の費用をご案内します。

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お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00