整備工場の売上の柱は車検です。ところが車検の入庫は、満了日を把握する作業と、案内を出して予約を取る作業の両方がそろわないと増えません。台数が数百台を超えると、手書きの台帳やエクセルの一覧だけでは、案内の漏れや二重連絡が起きやすくなります。この記事では、車検管理システム(車検システム)で何ができるのかを、2025年4月に変わった「車検を受けられる期間」のルールも含めて、工場の実務の順に整理しました。特定の製品を前提にせず、デモや見積で確かめる項目として読めるように書いています。
車検管理システムとは:満了日から逆算して案内と入庫をつなぐ仕組み
車検管理システムは、お客様の車の車検満了日を登録しておき、そこから逆算して「いつ、誰に、何を案内するか」を決めるための仕組みです。単体の製品として売られている場合もありますが、多くは自動車整備システムの一機能として組み込まれています。顧客と車両の情報、過去の整備履歴、請求書、申請書類が同じデータでつながっていると、案内から入庫、整備、請求、次回の案内までを一つの流れで扱えます。
車検管理で扱う情報は、おおむね次の4種類です。
- 車両の情報:登録番号、車台番号、車検証の有効期間の満了日、前回の入庫日
- お客様の情報:氏名、住所、電話番号、連絡してよい方法(電話、はがき、SMSなど)
- 案内の記録:いつ、どの方法で案内したか、返事があったか
- 予約と入庫の記録:入庫日、代車の有無、受検する検査場、引き渡し予定日
紙やエクセルでも同じ項目は管理できます。違いが出るのは、台数が増えたときに抽出と記録をどこまで手作業でやるかです。自家用乗用車の車検は新車の初回を除いて2年ごとなので、500台を抱える工場なら毎月20台前後の満了が来る計算になり、案内と追いかけの記録だけでも事務担当の時間をかなり使います。
車検管理システムの役割
車検管理システムとは、車検証の有効期間の満了日を起点に、案内を出す相手と時期を決め、予約・入庫・申請までの記録を残すための仕組みです。整備工場では、車両の満了日、お客様の連絡先、案内した日と方法、予約日と入庫日の4種類の情報をそろえて扱います。紙の台帳やエクセルでも管理はできますが、保有台数が数百台になると、毎月の対象車の抽出、案内文の作成、返事のない人への再連絡を手作業で回すのが重くなります。顧客、車両、整備履歴、請求、申請書類が一つの自動車整備システムの中でつながっていれば、入庫後の作業にも同じデータをそのまま使えます。導入を検討するときは、案内の機能だけで判断せず、入庫から請求までのつながりも確かめてください。
車検を受けられる期間の改正(2025年4月)と車検案内の時期
国土交通省は2024年6月25日に、継続検査(車検)を受けられる期間を広げる省令改正を発表しました。2025年4月1日から、車検は有効期間の満了日の2か月前から受けられるようになっています。それまでは満了日の1か月前からでした。拡大された期間に受検しても、残っている有効期間が失われない仕組みになっているため、早めに受けたお客様が損をすることはありません。改正の目的は、3月の年度末に車検が集中する状態をならし、整備士の働き方を改善することとされています。
| 項目 | 2025年3月31日まで | 2025年4月1日から |
|---|---|---|
| 車検を受けられる期間 | 満了日の1か月前から満了日まで | 満了日の2か月前から満了日まで |
| その期間に受けた場合の有効期間 | 残りの期間は失われない | 残りの期間は失われない(2か月前まで拡大) |
| 工場側の段取り | 1か月の間に予約と入庫を収める | 2か月の幅で入庫日を分散できる |
工場にとっては、入庫日を選べる幅が倍になったということです。3月や年末のように満了が重なる月でも、前倒しで入庫してもらえば、ピットと代車の空きを平らにしやすくなります。そのためには、満了日の2か月前より前に最初の案内が届いている必要があります。案内の時期を何日前に設定するか、2回目の案内をいつ出すかは工場ごとに決めてかまいませんが、「満了日の2か月前から受けられる」ことを案内文に一行入れておくと、お客様も予定を組みやすくなります。
受検期間の改正内容と、案内時期の組み方の例は、jcn-it の実務ガイド「車検はいつから受けられる?2か月前ルールの解説」にもまとめています。
2か月前ルールで変わる車検案内
2025年4月1日から、車検(継続検査)は有効期間の満了日の2か月前から受けられるようになりました。国土交通省が2024年6月25日に発表した省令改正によるもので、以前は満了日の1か月前からでした。この期間内に受検しても残りの有効期間は失われないため、お客様は早めに入庫しても損をしません。整備工場にとっては、入庫日を分散できる幅が1か月から2か月に広がったことになります。年度末に満了が集中する車でも前倒しの入庫をお願いしやすくなるので、車検管理システムで満了日の2か月前より前に最初の案内が届くよう、抽出の条件と案内の日程を見直しておくと効果が出やすくなります。
車検案内の方法と手間の比較
車検案内は、方法によって手間と費用のかかり方が違います。どれか一つに絞るより、お客様の年齢層や連絡のつきやすさに合わせて組み合わせる工場が多いはずです。車検管理システムで案内の方法をお客様ごとに記録しておけば、次回から迷わずに済みます。
| 案内の方法 | 工場側の手間 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| はがき・封書 | 宛名と文面の印刷、投函。台数が多いと作業時間がかさむ | 住所が確実なお客様、文面で料金の目安を伝えたいとき |
| 電話 | 1件ずつかける。不在が多いと何度もかけ直す | 2回目以降の追いかけ、法人の車 |
| SMS・メッセージ | 送信の準備。電話番号の管理が要る | 携帯番号が登録されていて、短い連絡で足りるとき |
| 発送の代行 | 対象者のデータを渡すだけ。費用は外に出る | 案内を出す時間がない時期、人手が足りない工場 |
日本カーネットでは、車検・点検案内ハガキの発送代行と、車検予約代行も扱っています。案内そのものを外に出す方法は車検・点検案内ハガキの発送代行のページで紹介しています。工場の中で案内を続けるか外に出すかは、事務担当の人数と、案内1件あたりにかけられる時間で判断するのが現実的です。
車検案内の方法を選ぶ基準
車検案内の主な方法は、はがき・封書、電話、SMSなどのメッセージ、発送の代行の4つです。はがきは住所が確実なお客様に向き、料金の目安まで文面で伝えられますが、台数が多いと印刷と投函の作業が増えます。電話は返事をその場でもらえる反面、不在の多いお客様には何度もかけ直すことになります。発送の代行は、対象者のデータを渡すだけで済むので、繁忙期や事務担当が1人の工場で案内を止めないための手段になります。どの方法を選んでも、案内した日と方法、返事の有無を車両ごとに記録しておくと、2回目の連絡を誰にいつ出すかがはっきりし、担当者が替わっても同じように回せます。
車検管理システムの選び方:デモで確かめる7項目
車検システムの比較では、画面の見た目よりも、毎月の作業が何分で終わるかを想像しながら確かめるのが近道です。デモや資料請求のときに、次の7項目を順に聞いてみてください。
| 確かめる項目 | 見るところ |
|---|---|
| 満了日での抽出 | 「来月満了」「2か月後満了で未入庫」のような条件で一覧が出せるか |
| 案内の記録 | 案内した日・方法・返事を車両ごとに残せるか |
| 電子車検証 | 電子車検証の情報を取り込めるか、手入力が残るのはどこか |
| 申請書類 | 継続検査の申請書類や記録簿を同じデータから作れるか |
| OSS(電子申請) | 継続検査のワンストップサービスに対応しているか |
| データの出力 | 顧客・車両の一覧をCSVで出して、エクセルで加工できるか |
| 複数台・複数店舗 | 受付と整備で同時に開けるか、別の店舗の入庫履歴を見られるか |
見落としやすいのは最後の2つです。車検案内の一覧をエクセルで加工したい場面は意外と多く、出力できる項目が少ないと結局手で打ち直すことになります。また、受付のパソコン1台でしか車検管理の画面が開けないと、整備スタッフが入庫状況を確かめるたびに受付の手が止まります。台数の考え方は整備ソフトを一人一台で使う:2台目以降の費用と順番待ちの解消で詳しく書いています。
車検システム比較で確かめたい7項目
車検管理システムを比べるときに確かめたいのは、満了日での抽出、案内の記録、電子車検証の取り込み、申請書類の作成、OSS(電子申請)への対応、CSVでのデータ出力、複数台・複数店舗での利用の7項目です。このうち満了日での抽出と案内の記録は、毎月の車検案内の作業時間に直結します。申請書類とOSSは入庫後の事務の手間を左右し、CSV出力はエクセルで独自の一覧を作りたいときに効いてきます。受付のパソコン1台でしか画面を開けないと、整備スタッフが入庫状況を見るたびに受付の手が止まるので、台数ごとの費用も合わせて確認してください。デモでは自社の実際の車両を例に、抽出から案内までを通して操作してもらうのが確実です。
車検入庫後の申請書類と点検整備記録簿の扱い
車検管理は案内を出したら終わり、というわけにはいきません。入庫した車では、継続検査の申請書、重量税や手数料の納付書、点検整備記録簿など、何枚もの書類に同じ登録番号や車台番号を書くことになります。車検管理システムに登録した車両のデータから書類を作れれば、書き写しの手間と写し間違いが減ります。逆に、案内は車検管理システム、書類は手書きやエクセル、と分かれていると、入庫のたびに転記が発生します。必要書類の一覧と、受付から引き渡しまでの順番は車検入庫とは:受付から引き渡しまでの流れと必要書類で一つずつ説明しています。
書類の中でも、点検整備記録簿は保存のルールがはっきり決まっています。自動車点検基準第4条により、自家用の乗用車や軽自動車のように1年ごとに定期点検をする車は記載の日から2年間、事業用の車などは1年間の保存です。国土交通省の取扱いでは、整備事業者が記録簿を電子で作成・保存する場合に、検索できること、別の記録媒体へ移せること、作成・更新・消去の日時と作業者を自動で記録すること、施錠などで改ざんを防ぐこと、バックアップを取ることを求めています。一方で、運輸支局や軽自動車検査協会で検査を受けるときに提示する点検整備記録簿は書面です。
車検管理と記録簿をつなぐ理由
車検の入庫後には、継続検査の申請書、納付書、点検整備記録簿など、同じ登録番号や車台番号を書く書類が何枚も続きます。車検管理システムの車両データから書類を作れれば、転記と写し間違いが減り、案内から書類までを一つのデータで扱えます。点検整備記録簿は自動車点検基準第4条で保存期間が決まっており、1年ごとに点検する自家用乗用車などは記載の日から2年間、事業用の車などは1年間です。電子で保存する場合は、検索、媒体への移行、更新履歴の自動記録、改ざん防止、バックアップの措置が国土交通省の取扱いで求められ、窓口での検査では書面の記録簿を提示します。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER の車検まわりの機能と料金
日本カーネットの整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、整備システム・車両販売システム・申請書類作成システムの3本立てで、Windowsパソコンにインストールして使います。車検まわりでは、OSS(電子申請)と電子車検証に対応しています。顧客は127項目、車両は191項目、伝票は172項目までCSVで出力でき、エクセルで自由に加工できます。複数店舗で同じデータを参照できるので、どの店舗に入庫があっても前回の整備内容を確かめられます。車検案内の発送や車検予約は、関連サービスの発送代行や予約代行に任せる方法もあります。
料金はサブスク(月払)で、1台目が月6,600円(税込)、2台目が2,200円(税込)、3台目以降は1台につき1,100円(税込)です。受付・整備・事務の3台で使う場合は、6,600円+2,200円+1,100円=9,900円(税込)が月額の目安になります。別途初期費用がかかり、有料オプションを付けると月額は変わります。リース契約は組まずに導入でき、月単位または年単位で支払えて、いつでも停止できます。アップデートは月に1〜2回程度、行政改正や業界のニーズに合わせて行われ、アップデート料金は無料です。
一方で、同じソフトを長く少ない台数で使い続けるなら、買い切りの方が総額で安くなる場合もあります。支払い方法ごとの比べ方はサブスクとは:買い切り・リースとの違いで整理しています。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER の月額の目安
整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、整備システム・車両販売システム・申請書類作成システムの3本立てで、OSS(電子申請)と電子車検証に対応しています。顧客127項目、車両191項目、伝票172項目、入金57項目をCSVで出力でき、車検案内用の一覧をエクセルで作るといった使い方もできます。料金はサブスクで、1台目が月6,600円(税込)、2台目が2,200円(税込)、3台目以降は1台1,100円(税込)です。3台なら月9,900円(税込)が目安で、別途初期費用がかかり、有料オプション次第で月額は変わります。リース契約なしで導入でき、いつでも停止できます。長期間を少ない台数で使うなら買い切りの方が総額で安いこともあるので、使う年数と台数を決めてから比べてください。
よくある質問
- 車検案内は満了日のどれくらい前に出せばよいですか?
- 決まりはありませんが、2025年4月1日から車検は満了日の2か月前から受けられるようになったので、最初の案内はそれより前に届くように出す工場が増えています。2回目の案内や電話での確認をいつにするかを決め、その条件で毎月同じ一覧が出せる状態にしておくと、案内の漏れが減ります。
- 満了日の2か月前に車検を受けると、有効期間が短くなりませんか?
- 短くなりません。国土交通省の改正で、満了日の2か月前から満了日までの間に受検すれば、残っている有効期間は失われない仕組みになっています。お客様に前倒しの入庫をお願いするときは、この点を案内文に書いておくと安心してもらえます。
- 自動車整備システムに車検管理の機能が付いていれば、専用の車検システムは要りませんか?
- 満了日での抽出、案内の記録、申請書類の作成、データの出力がそろっていれば、別の製品を入れなくても回る工場が多いはずです。顧客や車両のデータを二重に持つと、どちらかが古くなりやすいので、まずは今の整備ソフトでどこまでできるかを確かめてください。
- 整備システムをリースなしで入れて、車検管理にも使えますか?
- 整備システム・整備ソフト DREAM POWERはリース契約を組まずにサブスクで導入でき、OSS(電子申請)と電子車検証にも対応しています。1台目は月6,600円(税込)で、別途初期費用がかかります。車検案内の画面や抽出の操作は、デモで実際に確かめてください。
- 案内を出す時間がないときはどうすればよいですか?
- 対象者の一覧を作るところまでを工場でやり、印刷と発送は代行に任せる方法があります。日本カーネットでは車検・点検案内ハガキの発送代行と車検予約代行を扱っています。
出典・参考資料
- 国土交通省 報道発表資料「来年4月より、車検を受けられる期間が延びます」(2024年6月25日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000645.html - 国土交通省 自動車検査登録総合ポータル「継続検査(車検)」
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/inspection/index.html - 国土交通省 自動車検査登録総合ポータル「継続検査(車検)の必要書類」
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/inspection/document/index.html - e-Gov法令検索 道路運送車両法(第61条 自動車検査証の有効期間)
https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - e-Gov法令検索 自動車点検基準(第4条 点検整備記録簿の保存期間)
https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070 - 国土交通省「点検整備記録簿、特定整備記録簿及び指定整備記録簿の電磁的方法による作成、保存又は交付に関する取扱い」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/images/kirokubodensika.pdf - 日本カーネット株式会社 整備システム・整備ソフト DREAM POWER サブスク(料金・機能)
https://sub.j-carnet.co.jp/
記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。料金・機能は日本カーネットの資料請求・デモ申込で最新の内容をご確認ください。
整備ソフトを、人数分。サブスクで。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER をサブスクでご利用いただけます。1台目は月額6,600円(税込)、2台目は2,200円(税込)、3台目以降は1台1,100円(税込)。リース契約を組まずに始められます。いまの台数と使い方をお聞きして、月々の費用をご案内します。
お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00







